緑のカーテン 効果
ゴーヤの緑のカーテンがあるカフェ
緑のカーテンは、文字通り植物の葉を窓やベランダ、壁面に、
沿って這わせることで日陰を作り、自然のカーテンを作る方法です。
日本では数年前からゴーヤのカーテンが流行しはじめたのですが、
実際にはどのような効果が得られるのでしょうか。
[緑のカーテン 効果]
■緑のカーテンとは?
緑のカーテンは、アサガオやゴーヤなどのつる性植物を使って日陰を作り、
室内の温度を下げるために作られた自然のカーテンのことを指します。
日陰を作ることにより、夏の強い直射日光が当たる壁や窓、
ベランダの床などの温度が上昇するのを防ぐことができます。
家やビルのこういった広い面積の温度上昇を防ぐことができれば、
おのずと室内の温度上昇も和らげることができます。
◎緑のカーテンの実験
神奈川県で行われたゴーヤを使ったによると、
緑のカーテンの表面と裏側との温度は、この時点ですでに1.7度あります。
緑のカーテンのある窓とない窓とでは、2.6度の温度差があり、
カーテンのある床とない床とでは、なんと8.2度の温度差がある、
という結果が出ています。
これにより、緑のカーテンは、エアコンの稼働率を下げ、
CO2排出量の削減や節電につながるとして、環境省からも推奨されました。
各自治体により、夏前に緑のカーテンに適した植物の苗を配布したり、
フォトコンテストを行うなどして、緑のカーテンの認知度を上げ、
より多くの方に緑のカーテンを体験してもらえるよう、働きかけています。
緑のカーテンは、環境省からも推奨
■緑のカーテンの効果
では、実際に緑のカーテンをすることによって、
どのような効果が得られるのでしょうか。
1. 熱を遮断、発散する
つる性の植物を育てて壁や窓などを覆うことにより、
葉が直射日光を受け止めてくれます。
夏は直射が当たるだけでかなり気温が上がるため、
緑のカーテンによって熱を遮断する効果があります。
直射を遮るだけなら、よしずやすだれでも代用できますが、
これらはそれ自体に熱が溜まって熱くなります。
ところが植物の場合は、受け止めた熱を自然に発散するため、
植物自体の熱はほとんど上がりません。
2. 気化熱で涼しい
植物は根から吸い上げた水分を、葉から蒸散します。
特に葉の裏側から蒸散するので、
室内側が気化熱より、より涼しくなるようになっています。
アサガオの緑のカーテンも素敵です
緑のカーテンは涼しい♪
3. CO2の削減と吸収
緑にカーテンによって室内の温度上昇を和らげることにより、
エアコンの稼働率が下がります。
夏の間は、エアコンによって電気代が高くなりますが、
緑のカーテンの省エネ効果により、電気代の節約にもつながります。
しかも、エアコンの設定温度を上げたりすることによって、
排出されるCO2の量を減らすことができるのです。
さらに植物はCO2を吸収する働きもあります。
4. 癒される
緑のカーテンとして植物を育てることで、
窓の外などにいつでもグリーンがある環境となります。
それを見ることにより、癒しを感じることができます。
植物により、花がメインのものと実を収穫できるものとがあるので、
好みの植物を育てることができるのもポイントです。
花や実、葉なども合わせて、
自然のインテリアとしてコーディネートするのも楽しそうです。
5. 色と方角で運気アップ
風水的には、東側に緑を育てると、子どもの将来が開ける効果があるそうです。
さらに緑(木)と相性の良い、青色のものと合わせるのも良いそうです。
扱いやすいプラ製品の青い鉢でも良いですし、
素焼きの鉢を自分で青色に塗るのも素敵です。
■緑のカーテンのデメリット
良いことがたくさんある緑のカーテンですが、デメリットもあります。
・暗くなる
・壁に近い場所に設置することで、壁面が傷むことがある
・栽培方法によって、虫や臭いが発生することがある
・枯れてきた時の見た目が悪い
こういったデメリットを理解することで、
接地する場所や方法、育てる植物の選定に役立てることができます。
ゴーヤが生長も良く人気ですね
■緑のカーテンに使える植物
緑のカーテンとして育てることのできる植物も、色々とあります。
日陰を作りたい面積を覆う必要があるため、つる性の植物が向いています。
緑のカーテンに利用できる植物を、いくつかご紹介します。
ウセンカズラ、種にハートの模様があるのも可愛いです
・花を見る植物
緑のカーテンは、それだけで素敵ですが、花が咲けばさらに楽しめそうです。
アサガオ、ヨルガオが代表的ですが、
他にも、葉が細く繊細なレースのように見えるルコウソウや、
小さな実がたくさんつくフウセンカズラなどもお勧めです。
変わり種として、クレマチスを使うという方法もあります。
ただ、クレマチスは、一年で栽培が終わるものに比べると、
つるの伸びがやや遅いので、広い範囲をすぐに覆いたい時には向きません。
パッションフルーツも人気です
・実を収穫する植物
実を収穫することのできる緑のカーテンの代表といえば、
やはりゴーヤですよね。
生長も早く、暑さにも強いのが特徴です。
他にも、キュウリやヘチマ、ヒョウタン、シカクマメなどもお勧めです。
変わり種で多年草のものでは、パッションフルーツやホップなどもあります。
・生長が早い植物
広い範囲を緑のカーテンを覆いたい場合、
できるだけ生長の早いものを植える必要があります。
生長の早いつる植物といえば、やはりゴーヤです。
ヘチマも気温上昇とともにつるの伸びが早くなる上に、
葉が大きいので覆う面積が広くとれます。
ゴーヤの魅力は、生長の早さと葉の大きさです
■冬の緑のカーテン
緑のカーテンは、夏の直射日光を遮るために育てることが多いため、
冬はあまり活用されません。
ところが、緑のカーテンを愛用している方の中には、
インテリアや目隠しの観点から、
冬の間も緑のカーテンを楽しみたいという方がいます。
一年草の場合、寒くなると枯れてしまい、緑のカーテンはなくなります。
多年草の植物である、ブドウやホップ、クレマチスなどを選んだとしても、
落葉するものが多いため、冬の間は寂しくなります。
冬も常緑で、カーテンの役目を果たしてくれる植物としては、
常緑性のクレマチスやトケイソウがあります。
クレマチスにはたくさんの品種があるため、
常緑性のものを選ぶことで、冬も緑を楽しめます。
トケイソウはパッションフルーツの仲間ですが、
実ではなく主に花を楽しむ種類です。
寒さに弱いものが多いですが、耐寒性の強いものであれば、
中間地より暖かい場所であれば、戸外の越冬が可能です。
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