固定種とF1種
ゴーヤは固定種の多い作物です。
あばしゴーヤ、沖縄中長レイシ、さつま大長れいしなどは固定種です。
近日人気のすずめゴーヤはF1種(えふわんしゅ)のゴーヤです。
固定種とF1種の違いは何でしょう?
固定種とF1種は遺伝に関係する言葉ですので
遺伝のことを少し書きます。
植物に限らず、動物も含め、生物は
親や先祖の「性質や特徴」を受け継いで生まれてきます。
そして自分の「性質や特徴」を受け継いだ子孫が生まれ、代を重ねていきます。
この「性質や特徴」を「形質」と呼び、
遺伝で伝わる形質を「遺伝形質」と言いますが、
形質と省略して言うこともあります。
[固定種とF1種]
■固定種とは
先祖代々、形質が変わらない、
つまり「形質が固定された品種」を示す言葉です。
ですから、固定種のゴーヤから種を採って育てると、
種を取ったゴーヤとそっくり同じな実ができます。
■F1種とは
さて、F1種にはどんな特徴があるのでしょうか?
F1種とは、英語では「first filial generation」といい、一代交雑種と訳します。
一代交雑種と言うのは大変なので、「F1」や「F1種」と言うことが多いです。
F1種は、同系交配で作られた新しい品種の一代目です。
◎F1種の大きな特徴は、
①両親に比べ、生育が旺盛である
②両親に比べ、抵抗力がある
③両親に比べ、収量が多くなる
などがあります。
F1種の①~③の特徴を特に「雑種強勢」と言います。
この雑種強勢はF1の特徴として重要です。
ではこのF1種の子供(F2、second final generation)に
F1の特徴や雑種強勢が均一に受け継がれるのでしょうか?
F1を親に持ったF2は、
F1種のように形質が均一にならない、
むしろ形質にばらつきが出てしまう特徴があります。
もし「F1種」や「一代交雑種」と書かれた作物を毎年育てたい場合は、
迷わず、毎年、その都度その作物の種や苗を入手しましょう。
また、固定種、原種系で、種から育苗したい方は、固定種で栽培してみてください。
この性質は、すべての植物に当てはまりますので、
次代の野菜や果樹を残したい方は、気に留めておいてくださいね。
■参考
・ゴーヤ 地植えの育て方
・ゴーヤ プランターの育て方
・ゴーヤ 摘心・剪定の仕方は?
コメントフォーム