ゴーヤの水やりは?
ゴーヤは、乾燥には強いのでしょうか?
水やりは、どれくらいの頻度でやれば良いのでしょうか?
■ゴーヤの水やりは?
1.ゴーヤの水やりの頻度は?
ゴーヤはつる性の植物です。
摘芯を行うと子つる、孫つるが伸びてネットを伝い、
大きな面積を覆っていきます。
その分、一株から生える葉の数は他の植物に比べてとても多いです。
ゴーヤの葉からは常にたくさんの水分が蒸発しています。
この、葉から水分が蒸発する作用を「蒸散作用」とよびます。
緑のカーテンではこの「蒸散作用」によって、
カーテンの側の温度が下がるのです。
葉から「蒸散作用」を行うために、
ゴーヤの根はどんどん地中の水分を吸い上げ、
茎や葉の隅々まで水分が運ばれていきます。
大きな株を支える根はたくさんの水分を吸い上げるため、
地中に大きく広がっています。
なのでゴーヤは他の植物に比べて水切れが早く、乾燥しやすいです。
ゴーヤの水やりは、雨の日以外は必ず毎日必要です。
土をよく観察して、乾いていたらたっぷりと水を与えます。
特に真夏の乾燥する季節には、朝・夕の2回水やりが必要になります。
このくらいしおれたゴーヤも水やりで持ち返しますがストレスになります
2.ゴーヤは水分が足りないとどうなる?
ゴーヤはたくさんの葉が蒸散作用を行うために、
非常に多くの水分を必要とします。
ゴーヤには雄花と雌花がありますが、
水切れを起こすと、雌花が付きにくくなります。
雌花が付かなくなると、収穫の量が少なくなってしまいます。
ただし、水分の与えすぎは根腐れやカビの原因になります。
土に割りばしを挿してみると、
水分量が足りているかどうかを判断することができます。
割りばしを土から引き抜いたとき、
割りばしに土がたくさんついてるようなら、水分の与えすぎです。
逆に、割りばしから土がぽろぽろと落ちるなら、水分不足の状態です。
栽培に慣れてくれば、見ただけで水分の過不足がわかるようになります。
土をよく観察し、適切な量の水分を与えることが、
ゴーヤの栽培の大切なポイントになります。
また、ゴーヤの実が付きはじめたら、
2週間に1度は水やりの時に液体肥料を与えて追肥を行いましょう。
ゴーヤは生育が早いので、水と肥料がとても大切です
3.ゴーヤの水やりの頻度を減らすには?
ゴーヤが満足するほど毎日水やりをするのはとても大変です。
旅行などで家を留守にしていた間に、
ゴーヤが枯れてしまったらとても悲しいですね。
ご近所のかたに水やりをお願いできればいいのですが、
無理な時はいろいろな対策があります。
ゴーヤの根元をアルミ箔で覆うと、
根を暑さから守ることができ、乾燥も防ぐことができます。
アルミ箔には、降雨がしみ込むようにところどころ穴をあけておきましょう。
長期間家を空けるときは、ペットボトルの口につける、
給水キャップを利用すると良いでしょう。
水をジェル状に固めたものも販売されています。
また、ホームセンター、通販には自動冠水器が売られています。
スケジュールに合わせて、便利グッズを上手に使うと、
ストレスなく夏の楽しみとゴーヤの栽培を両立することができます。
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ゴーヤ 緑のカーテン
ゴーヤの緑のカーテンの素晴らしいところは、
狭いスペースでも、プランター栽培でも、
厚く茂りりっぱで強力な緑のカーテンができることです。
■ゴーヤ 緑のカーテン
・緑のカーテンのパワー
緑のカーテンを作ると、茂ったゴーヤの蒸散作用によって、
直射日光による熱を80%カットすることができます。
ベランダを緑のカーテンで覆うと、
ベランダに直射日光が当たるのを防ぐことができ、
床の温度を10℃も下げることができます。
緑のカーテンに面した部屋は涼しくなり、
エアコンの使用時間を少なくすることができます。
また、ゴーヤの樹と実が揺れているのを眺められる、
夏の日々は優雅で、癒し効果も大きいです。
・ゴーヤを植える場所
ゴーヤは日当たりを必要とする植物です。
地植えでも、プランター栽培でも育てることができますが、
栽培する場所の日当たりは確保しましょう。
プランター栽培では、深く大きなプランターを用意します。
2株植えるのであれば、深さ30㎝、横幅は60~90㎝、縦幅30㎝、
くらいの大きさのものが必要です。
土づくりは大切で、水はけのよい肥沃な土地を好むため、
腐葉土や堆肥をよく混ぜた土を2週間ほど前から用意します。
・植え付けの時期
ゴーヤは真夏になると、蒸散する水分の量が増え生長が衰えてきます。
そのため、真夏までにできるだけ大きく育てるようにします。
植え付けは、遅くても6月上旬には済ませましょう。
摘芯でどんどん茂らせます
◎緑のカーテンは摘芯が大切
緑のカーテンに仕立てる時は、
実の収穫よりもつるの生長を優先します。
摘芯は本葉が8枚ほどになってから行います。
摘芯を行うことにより、子つるが伸びてきます。
*ゴーヤの実も楽しみたい場合は本葉4~5枚で摘芯します。
生長してネットからつるがはみ出してきたら、
はみ出したつるを切って孫つるを伸ばします。
孫つるは子つるの間を縫うように育ち、密に葉を茂らせてくれます。
ゴーヤには雄花と雌花がありますが、
1mほど生長するまでは、雌花をとって実が付くのを防ぎます。
・緑のカーテンの誘引の仕方
子つるから巻ひげが出てきたら、つるを誘引していきます。
できるだけ等間隔に、真上に伸びて行くように誘引していくと、
隙間の無い美しいカーテンになります。
・水やりと追肥
ゴーヤはたくさんの葉から水分が蒸発するため、
水やりはとても大切です。
毎朝、たっぷりの水を与え、水切れに注意しましょう。
追肥もとても大切です。実が成り始めたら、
液体肥料を2週間に1回の頻度で与えます。
■ゴーヤ 緑のカーテンの仕立て方
1.ベランダを利用した仕立て方
ベランダに緑のカーテンを仕立てたいときは、
ベランダの手すりや物干しざおを利用します。
プランターは一株ずつ植えたものを2つ用意すると、
仕立てる幅に合わせやすくなります。
園芸用のネットの下部に園芸用の支柱を、
上部には物干しざおを通します。
支柱は丈夫な洗濯バサミなどでプランターに固定します。
ネットの中間をベランダの手すりに固定すると、
立体的な緑のカーテンを仕立てることができ、
洗濯物も楽に干すことができます。
2.ネットを付ける場所がない時の仕立て方
家の壁面や軒下にネットを固定することができなくても、
緑のカーテンを仕立てることはできます。
お勧めは、窓一枚分のスクリーンに仕立てる方法です。
園芸用の支柱を窓の大きさに組み合わせます。
支柱同士を組み合わせる時は、
太い結束バンドを利用すると良いでしょう。
支柱を組んだら園芸用のネットを張ります。
家の壁面に粘着式や吸盤式の強力なフックを取り付け、
スクリーンの上部をしっかりと固定します。
スクリーンの下部は、
強力な洗濯ばさみでプランターに固定します。
3.一階部分を緑のカーテンで覆う方法
2階建ての住宅では、1階部分を緑のカーテンで覆うことができます。
広い面積を覆うためには、園芸用のネットを、
広さに合わせて連結するとよいでしょう。
2階のベランダの手すりに上部を固定し、
ネットの下部は丸太や角材を通し、重さで固定します。
4.地植えの緑のカーテンを作る方法
地面にゴーヤを植えた時は、支柱とネットで、
スクリーンのように仕立てるとよいでしょう。
園芸ネットを使う場合は、ネットがたるんだり緩まないように、
地面に重しを置き、家屋や塀の上部を固定します。
ゴーヤは、垂直よりも斜めに誘引すると実が付きやすくなるので、
収穫も目指すときは、ネットの張り方にも配慮します。
すると、孫つるが伸びてきて、子つるの間を埋め、
葉がどんどん茂って密になって緑のカーテンに相応しくなります。
>>ゴーヤの種と苗を各種見てみる
ゴーヤ 地植えの育て方
■ゴーヤ 栽培スケジュール
■ゴーヤ 栽培データ
英名・学名 bitter melon・momordica charantia var. pavel
形態 つる性一年草
原産地 熱帯アジア、日本
草丈/樹高 400cm~500cm
開花期 6月~9月
結実期 7月~10月上旬
花色 黄色
栽培難易度(1~5) 2 比較的易しい
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
特性・用途 耐暑性が強い、初心者向け
ゴーヤ(ニガウリ)は、上手にコツをおさえて栽培すると、
ひと夏の間につるを茂らし、1株で30~50個の実を収穫できます。
緑のカーテンや、緑のトンネルとしても楽しむことができます。
■ゴーヤ 地植えの育て方
・種からの場合
ゴーヤの種は種からでも簡単に育てることができます。
種まきに適した時期は平暖地で3月下旬から5月上旬で、
発芽温度は25℃~30℃です。
ゴーヤの種は固い殻に覆われています。
種を播くときは、殻の上部を切り落として発芽しやすくし、
2時間以上水に浸してから撒くと発芽率があがります。
発泡スチロールの箱の底に穴を開けたものや、
ポリポットに土を入れ、種を一粒ずつ巻きます。
土をかけたら発芽までは新聞紙を被せ、乾燥を防ぎます。
通常4日ほどで発芽しますので、発芽したら新聞紙は外します。
気温が25℃以下になる時は、ビニールハウスに入れるか、
透明のビニールで覆って温度を確保します。
本葉が1㎝程になったらポリポットに移して育苗します。
育苗中は水やりを控えめにした方がしっかりとした苗に育ちます。
・苗を選ぶ場合
初めてゴーヤを育てる時は、苗から育てたほうが無難です。
苗は、節間が狭く、茎が太くてしっかりとしていて、
葉に艶があるものを選びましょう。
>>ゴーヤ 苗の選び方は?
・植え場所
ゴーヤは日当たりが重要です。
できるだけ長く日が当たる場所を選びましょう。
西日が強く当たるところでは、葉がしおれ気味になりますが、
しっかりと水やりを行えば元気に育ってくれます。
・畑の準備
ゴーヤは大きく育つため、元肥がとても重要になります。
畑は植え付けの1か月くらい前から準備し、土を十分に熟成させます。
まず、植え付ける1か月前に畑をできるだけ深く耕し、
1㎡当たり2~2.5㎏の堆肥を混ぜ込んでおきます。
植え付け2週間前には1㎡当たり120~130gの有機肥料と苦土石灰を入れます。
高さ20cm、幅120~250㎝の畝を立てます。
・植え付け
苗の植え付けは、本葉が4~5枚そろった時が最も良いタイミングです。
株と株の間は、広さに応じて50~100cm以上空けておきます。
植え付け後はビニールで覆って保温をすると生長が早まりますが、
必ず上部は開けておき、株が蒸れないようにします。
植え付け後は乾燥しないよう、しっかりを水やりを行います。
・支柱
支柱は180㎝ほどのものを用意し、園芸ネットを張っておきます。
つるがどんどん伸びるので、伸びてきたところをネットに誘引し、絡みやすくします。
棚仕立てにしたり、トンネル仕立てにしたりするのも良いですし、
壁面にネットを張るなど、スペースや好みで工夫することができます。
・水やり
ゴーヤはつる性の植物のため、葉からの蒸散が多く、水分を必要とします。
水が足りないと葉焼けをおこし、実も大きく育ちません。
毎朝たっぷりと水やりをしましょう。
・摘芯
ゴーヤの親づるには雌花があまりつきません。
本葉5~6枚くらいで摘芯してやり、子づるを2~3本伸ばし誘引します。
摘芯のタイミングは、仕立て方によって若干変わってきます。
*
・追肥
追肥は、収穫量が多くなってきた頃に行います。
一株当たり一握り程度の有機肥料を施します。
株元に近いと効果が薄くなるため、
株元から50㎝ほど離れたところに穴を掘って肥料を埋めます。
葉が黄色くなったり、つるの生長が遅くなってきたら、
肥料切れのサインなので、その都度追肥を行います。
・誘引
ゴーヤはつるをネットに括り付ける誘引を適時行っていきます。
誘引を行わないとつるがネットから離れ、風で倒れやすくなります。
また、仕立て方に工夫を凝らしている場合は、
誘引を行うことによって効果的につるを伸ばしていくことができます。
・支柱・棚づくり
地植えでゴーヤを栽培するときは、
立体仕立てか棚仕立てで育てるのが一般的です。
ゴーヤは水平方向に誘引すると着果しやすいからです。
立体仕立てでは、180㎝ほどの支柱を立て、
園芸ネットを斜めに広げてつるを誘引していきます。
比較的狭い栽培スペースに向いた方法です。
棚仕立てでは、2mほどの高さに棚を組み、
棚につるを誘引していきます。
比較的広い栽培スペースが必要になりますが、
収量も増え、沖縄では一般的な栽培方法です。
・収穫
ゴーヤは、熟しすぎると食感が悪くなってしまいます。
日ごろから実をよく観察し、緑色が濃く、
いぼが膨らんできて、実に艶が出てきたら収穫時期です。
夕方になると実の水分が少なくなってくるので、
収穫は朝行う方が美味しいです。
一株当たり大体30~50個ほどの実を収穫することができます。
・種取り
ゴーヤの実には種が入っていて、翌年の栽培に利用することができます。
種を取りたいときはゴーヤを収穫せず黄色くなるまで置いておきます。
やがて実がはじけ、中から赤い種が出てきます。
種の周囲の赤い部分は甘く、おいしくいただけます。
・病害虫
ゴーヤは病害虫の心配が少ない植物ですが
あまりにも葉が混み合って風通しが悪くなると、
病害虫の被害にあいやすくなります。
葉にカビが生えるうどんこ病や、アザミウマ、アブラムシ、
オンシツコナジラミ、ハダニの食害に注意が必要です。
■ゴーヤ 地植えの育て方のコツ
1.発芽温度は25℃以上、種まきや育苗時期に適正温度にならないときは保温が必要です。
2.日当たりのよいところで、肥料切れと水切れに注意して育てます。
3.支柱やネットを用意し、しっかり誘引しましょう。
4.夏になるとどんどん実をつけて収穫できます。よく観察して収穫時期を逃さないようにします。