しろにがくん 特徴と育て方
しろにがくんという品種のゴーヤがあります
ゴーヤといえば、緑色のものを思い浮かべますが、
近年は白色のものやオレンジ色のものなど、
ゴーヤにもカラフルな品種が増えてきました。
純白のしろにがくん(トキタ種苗)の特徴と育て方をご紹介します。
純白苦瓜 特徴と育て方
沖縄産の純白苦瓜は、
島心よりも大型の実をつけることもあります
実の表面はツンツンとがっておらず、滑らかですが、
島心と一番違うのは、真っ白な実をつけるところです。
■純白苦瓜 特徴と育て方
1.純白苦瓜 特徴
・苦味が他のゴーヤの品種より少ないゴーヤです。
・果実の色は、真っ白です。
・果実は長さが25~30cmで、直径は10cm前後、重さが400g前後、
時には700g近くまで大きくなることもあります。
*販売業者:フタバ種苗
2.純白苦瓜 育て方
・純白苦瓜の生育適温は18~30度ですが、
発芽の適温は高めの25~30度ですので、発芽までの温度管理を忘れずに。
・大きな実をつける品種なので、本葉が2~3枚の頃に定植し、
根の張りがよくなるよう育てます。株間を2~3mにします。
畑の気温が18度以下の場合は、マルチなどで保温と活着を促進させます。
・追肥は、収穫の始まるころから株の勢いを見て、適宜やります。
・収穫が始まると、水分不足になりやすいので、
株の様子や天候を見つつ、水管理をします。
・過繁茂になったら、あまり日光が当たらない葉から摘み取り、
日の当たり方や風通しなどよくしましょう。
・果実の長さ25cmを目安に収穫します。
一つ一つの実が大きくなる品種なので、
雌花のうちからどこに実があるかチェックし、確実に収穫していきます。
美しいゴーヤです
3.純白苦瓜 適作型
適作型は、「島心」と同じです。
4.純白苦瓜 食べ方
・下処理は他のニガウリと同じでワタと種を取ります。
・苦みが少ないので、薄切りにした純白苦瓜を氷水にさらし、
マヨネーズやドレッシングなどでどうぞ。
・薄切りにして、溶き卵と一緒にすまし汁の具材としても涼しげでおいしくいただけます。
・薄切りの純白苦瓜とツナを塩コショウで炒め、ゴーヤーチャンプルー風に卵でとじ、
おかか醤油で味を調え、いろどりであさつきを少々ちらして小鉢に。
・苦みをさらになくしたい方には、ワタ抜き後、
薄切りにした純白苦瓜に塩をふりかけ、10分ほど放置します。
水分が出ますが、絞らずにさっと湯通しし、
氷水にさらしてシャキッと仕上げる方法があります。
・上記の下ごしらえをしたのち、小鉢に盛り、ポン酢におかかをのせると、
お手軽で美味しい小鉢ができます。
ポン酢とおかか和えの他に、さっぱり系のドレッシング、
青しそや梅肉ドレッシング、シーザーサラダ、中華風などで、
和えてもおいしく簡単にいただけます。
■参考
・ゴーヤ 地植えの育て方
・ゴーヤ プランターの育て方
・ゴーヤ 摘心・剪定の仕方は?
すずめゴーヤ 特徴と育て方
すずめゴーヤ
すずめゴーヤはミニゴーヤとも呼ばれています。
沖縄ゴーヤの品種の一つで、
すずめのように小さな実をつけるかわいいゴーヤです。
すずめのように小さい、つまり掌にのる大きさのゴーヤなので、
何個かあっても食べ切れる大きさなのが嬉しいところです。
■すずめゴーヤ 特徴と育て方
1.すずめゴーヤ 特徴
・果実の重さが30g前後の手のひらに乗るくらい小さな、小型ゴーヤです。
・果実の色は、濃い緑色をし、果実を多く付ける品種です。
・果実のとげは大小さまざまですがとがっています。
・苦みが比較的ある品種ですが、食べられます。
・小さい実が多くつくので、縁側などに日よけ棚を作り観賞用に楽しめます。
*販売業者:フタバ種苗
2.すずめゴーヤ 育て方
span style="color:#006500;">ネット栽培-畝に支柱を立てネットをかけ、ゴーヤを絡ませて栽培する方法
棚栽培-しっかりした棚を作り、その棚にゴーヤを絡ませ栽培する方法
地這栽培-地面を這わして栽培する方法<
どの方法でもこのすずめゴーヤは育てることができます。
・すずめゴーヤの生育適温は18~30度ですが、
発芽の適温は25~30度ですので、発芽するまでの温度管理が重要です。
・本葉が2~3枚になった頃に定植します。株間を2~3mにして植えます。
畑の気温が18度を下回る場合は、ホットキャップや小型トンネルなどを利用して、
保温と活着を促進させましょう。
・追肥は、収穫の始まるころから、株の勢いを見つつ、行います。
・収穫が始まると、毎日水やりをしていても水分不足になることがあります。
株の様子や天候を見つつ、水管理を行ってください。
・葉が生い茂りすぎた場合は、風通しや、それぞれの葉に日光がよく当たるよう、
日光を遮っている葉や密生している部分を摘みます。
・開花して2週間前後で収穫します。小さい実なので、収穫し忘れに注意します。
・すずめゴーヤなどのゴーヤはウリ科の作物です。
ウリ科の作物を連作するか、あるいは酸性土壌の畑では、
土壌にフザリウム菌が多くなる傾向があります。
フザリウム菌に作物が感染すると、初期は感染した部位がしおれるくらいですが、
日が経つにつれツル割れ病などの障害が発生し、
結果的に枯れたり収穫が減ったりします。
すずめゴーヤなどのウリ科の作物を連作したい場合は、
フザリウム菌に強い接木苗の利用をお勧めします。
少し苦みがあって美味しいです
3.すずめゴーヤ 適作型
適作型は参考資料としてご活用ください。
・冷涼地栽培
播種は4月下旬~6月上旬、定植は本葉が2~3枚で行い、
収穫は6月末にスタートし、9月ごろまで見込めます。
・中間値栽培
播種は4月初め~7月中旬、定植は本葉が2~3枚で行い、
収穫は5月末にスタートし、9月ごろまで見込めます。
・暖地栽培
播種は3月中旬~7月中旬、定植は本葉が2~3枚で行い、
収穫は5月中旬にスタートし、10月中旬ごろまで見込めます。
・沖縄県
播種は2月中旬~8月中旬、定植は本葉が2~3枚で行い、
収穫は4月中旬にスタートし、11月中旬ごろまで見込めます。
4.すずめゴーヤ 食べ方
・実は小さくてもちゃんとワタや種が入っていますので、種子を取り除き料理します。
・苦みが強い品種なので、水にさらしたり、軽く塩もみするなど、
下処理をするとおいしくいただけます。
・すずめゴーヤと玉ねぎスイートコーンのかき揚げや野菜炒めを始め、
ゴーヤチャンプルーなどの炒め物などでもおいしいです。
■参考
・ゴーヤ 地植えの育て方
・ゴーヤ プランターの育て方
・ゴーヤ 摘心・剪定の仕方は?
沖縄中長レイシ 特徴と育て方
沖縄中長レイシ(おきなわちゅうながれいし)は、
沖縄県に昔からある品種(在来種)で、固定種のゴーヤです。
沖縄中長レイシの果実の形状は、
短くて太い「沖縄あばし苦瓜」と細長い「さつま大長れいし」の中間くらいです。
■沖縄中長レイシ特徴と育て方
1沖縄中長レイシ 特徴
・果実は濃い緑色をしていて、独特の苦みがあります。
・果実は20~30cm前後に育ちます。果実の太さは、直径5センチ前後です。
・病気や害虫に強い品種ですが、寒さに弱いので、
極端な早撒きや早植えは避けてください。
*販売企業:野口のタネ、中原採取場株式会社など
2. 沖縄中長レイシの育て方
・ゴーヤは全般的に暑さに強く、寒さに弱い作物です。
沖縄中長レイシの発芽の適温は、25~30度です。
発芽の適温を保てるような環境を用意し、育てましょう。
・生育適温は18~30度前後です。
気温が30度を超えるようなときは霧吹きや、
水撒きアタッチメントの「霧モード」を使って、葉の表面や裏側に水をかけます。
暑さをうまく乗り切れるように世話をすると、収穫時期が延びます。
・ポットで苗を育ててから定植するときは、本葉が2~3枚の若い苗を定植します。
・土壌への適応性のある品種です。生育後半の株の疲労を回避したい場合は、
あらかじめ水はけがよく、日光が十分にあたる圃場に畝を作り、育てましょう。
・生育が旺盛です。収穫が最盛期でもそれぞれの葉に日光が当たるよう、
株間を広く(100~150cm)とって定植します。
・それぞれの葉によく直射日光が当たるように棚づくりをします。
・良品の果実を継続して収穫するために、収穫が始まるころから追肥を始めます。
追肥は、株の勢いを見つつ、適宜行ってください。
・収穫が始まってからは、乾燥しすぎると収量が落ち、株も弱りますので、
水やりは株の状況を見つつ、行います。
・果実の長さが25センチ前後になったら収穫適期です。
実が大きくなりすぎると株の勢いが落ち、
収量が落ちる原因にもなりますので、注意します。
去年作った、あばしゴーヤと長ゴーヤ(右)
3. 沖縄中長レイシ 適作型
適作型は参考資料としてご活用ください。
・冷涼地栽培
北海道や東北地方や高地の栽培の目安です。
播種は4月下旬~5月上旬、定植は5月下旬~6月上旬、
収穫は7月初め~7月下旬にスタートし、9月末まで見込めます。
・中間値栽培
冷涼地栽培と暖地栽培以外の地域での栽培の目安です。
播種は3月下旬~4月上旬、定植は4月下旬~5月中旬、
収穫は6月上旬~7月初めにスタートし、9月末~10月末まで見込めます。
・暖地栽培
九州南部、四国沿岸、瀬戸内沿岸、東海~九十九里沿岸での栽培の目安です。
播種は1月上旬~3月下旬、定植は2月初旬~4月中旬、
収穫は4月初め~6月初旬にスタートし、7月末~9月末まで見込めます。
・暖地露地栽培
播種は1月上旬~3月下旬、定植は4月下旬ごろまでに終わらせ、
収穫は6月上旬にスタートし、9月末まで見込めます。
ゴーヤの肉詰めは、ツマミにも子供たちのおかずにも好評
4. 沖縄中長レイシの食べ方
・輪切りにして塩コショウで下味をつけた豚挽き肉を詰め、
フライにするとおいしくいただけます。からしやソースをつけてどうぞ。
・賽(さい)の目に切ってゴーヤチャーハンに。
彩りもよくなり、盛夏を乗り切る一品になります。
・苦みが苦手な方には、薄切りにして、
卵や豚肉がたっぷりのゴーヤチャンプルーがおすすめです。
かつお節をトッピングしていただくのも美味です。
・しゃきしゃきとした歯ごたえのあるゴーヤチャンプルーを召し上がりたい方は、
5~8ミリくらいの厚さに切って作るとよいでしょう。
・苦みは嫌だけど、しゃきしゃきしたゴーヤチャンプルーや、
ゴーヤサラダの下ごしらえ方法を紹介します。
まず、ゴーヤのワタと種をスプーンなどでそぎ落とします。
ゴーヤをお好みの厚さや大きさに切った後、軽く塩もみし、5分ほど置きます。
水に5分ほどさらしたら、下処理終了です。
下処理は手間かもしれませんが、苦みが抑えられ、食べやすくなります。
・ゴーヤサラダにマヨネーズの入ったドレッシングを、
トッピングしても苦みが抑えられ、おいしくいただけます。
■参考
・ゴーヤ 地植えの育て方
・ゴーヤ プランターの育て方
・ゴーヤ 摘心・剪定の仕方は?
さつま大長レイシ 特徴と育て方
さつま大長レイシ
ゴーヤの学名はMomordica charantia var. pavel、
和名はツルレイシ、漢字で書くと「蔓茘枝」です。
「長レイシ」のレイシは、ツルレイシのレイシが語源です。
実は「長レイシ」は、「さつま大長レイシ(さつまおおながれいし)」と、
「沖縄中長レイシ(おきなわちゅうながれいし)」の2品種を示す通称・略称です。
同じ略称「長レイシ」をもつ品種でも、見た目にも違いがあります。
もし「長レイシ」が話題で食い違うことがあったら?
それはきっと、別の品種について話をしているのかもしれません。
この記事では、「さつま大長レイシ」、次の記事で「沖縄中長レイシ」を紹介します。
*
さつま大長レイシは、その名の通り、鹿児島県に昔からある品種(在来種)で、
固定種でもあるゴーヤの品種です。
さつま大長レイシの果肉は、硬く、しゃきしゃきしていて歯ごたえがよいゴーヤです。
苦みがやや強いですが、癖になるよい美味しい苦みです。
■さつま大長レイシの特徴と育て方
1. さつま大長レイシの特徴
・果実の長さは35cm前後にもなります。
・果実の形は細長く、流線形に近い品種です。
・果実の表面は鮮やかな緑をしています。
・育ちが旺盛で、実の付きがよく、多く収穫できる品種です。
*販売企業:タキイ種苗、野口のタネなど
人工授粉をすると確実に着果します
2. さつま大長レイシの育て方
・ゴーヤは全般的に暑さに強く、寒さに弱い作物です。
さつま大長レイシの播種時期は、最低気温が17度以上を基準に計画します。
・根の張りがよい株に育てるために、本葉が4枚前後になったら、
徒長していない元気な苗を選びます。
・定植は、最低気温が17度以上を基準に、
晴天の午前中の日を選び、行いましょう。
・ミツバチなどの自然交配ができない場合の対策として、人工授粉があります。
人工授粉の方法は、人工授粉したいその日に咲いた雄花を使って、
雌花に花粉をつけます。一つの雄花で3つ前後の雌花に受粉ができます。
人工授粉すると、着果する割合も上がり、結果的に収量も上がります。
・収穫の最盛期は果実に水分を多く取られます。
水やりは「やり忘れ」を防ぐためにも、定期的に行いましょう。
また、株の様子や天候などにも注意して適切な水やりをします。
・追肥は、収穫の始まるころから、株の勢いを見つつ与えます。
・果実の長さが35センチ前後になったら収穫しましょう。
実が大きくなりすぎると株の勢いが落ち、収量が落ちる原因にもなります。
ゴーヤのトンネルも涼しくて居心地が良いです
3.さつま大長レイシの適作型
適作型は参考資料としてご活用ください。
・冷涼地栽培
播種は5月下旬~6月上旬、定植は6月下旬~7月上旬、
収穫は8月初め~8月下旬にスタートし、10月末まで見込めます。
・中間値栽培
播種は4月下旬~5月上旬、定植は5月下旬~6月上旬、
収穫は7月初め~7月下旬にスタートし、9月末まで見込めます。
・暖地ハウス栽培
播種は1月上旬ごろ、定植はハウスで2月下旬ごろ、
収穫は4月初めにスタートし、7月末まで見込めます。
・暖地露地栽培
播種は1月上旬~3月下旬、定植は4月下旬ごろまでに終わらせ、
収穫は6月上旬にスタートし、9月末まで見込めます。
4.さつま大長レイシの食べ方
果実が細長く、肉厚ではないので、どのような料理にも適します。
・油炒め、卵とじ、ピーマンの肉詰めを応用した料理がお勧めです。
一口サイズに切り分けたレイシのワタと種のあったところへ片栗粉を軽くまぶします。
片栗粉の付いた面に豚肉をに盛り上がるくらいに詰め、
レイシに先に火が入るように、オーブンかフライパンでよく火を通します。
おかか醤油やソース、ケチャップなどでトッピングしてできあがりです。
・食感がしゃきしゃきしているので、サラダにも向いてます。
・果実が細長いので、薄切りにして、苦みを取ってサラダのいろどりに。
■参考
・ゴーヤ 地植えの育て方
・ゴーヤ プランターの育て方
・ゴーヤ 摘心・剪定の仕方は?