ゴーヤ 肥料やけ
ゴーヤを育てていると、
急に葉がしおれてくることがあります。
原因は、水切れや肥料不足も考えられますが、
意外に多いのが肥料やけです。
ゴーヤの肥料やけの原因は、なんでしょう?
また、肥料やけが起こったら、
どのように対処したらよいでしょう?
■ゴーヤ 肥料やけ
1.ゴーヤ 肥料やけの原因は?
ゴーヤはツルを大きくのばしていく植物で、
生育期間も長いため、追肥を行わなければ、
肥料不足で最悪の場合枯れてしまうことがあります。
その為に、実がなり始めたら追肥を行っていきます。
追肥は化成肥料などの固形肥料を置き肥したり、
液体肥料を施したりします。
この時、土の分量に対して肥料が多すぎたり、
液体肥料の濃度が濃すぎることが、
ゴーヤの肥料やけの原因になります。
肥料は、水に溶けると、
プラスの荷電を持ったイオン状態になります。
土はマイナスの荷電を持ったイオン状態なので、
肥料は土壌に吸着されていきます。
しかし、土壌の許容量を超えた肥料成分が施されると、
プラスのイオンの形で土壌に残ってしまいます。
すると、根からマイナスのイオンを持った水分が流れ出て、
土壌のプラスイオンと結びつこうとします。
このため、根から水分が土壌に奪われてしまい、
株には水切れと同じ現象が起こって枯れてしまうのです。
2.ゴーヤ 肥料やけの症状は?
ゴーヤの肥料やけは、株にとっては水切れと同じ症状です。
そのため、見た目は水切れの症状と同じで、
水切れなのか肥料切れなのか判断が難しくなります。
肥料やけは、葉は周辺から茶色くなって、丸まっていきます。
つる先、新梢に元気がなく葉が萎れて、株全体の元気がなくなります。
放置すると、株が枯れてしまいます。
根腐れとも間違えられやすいのですが、
根腐れは根全体が細く元気がなくなっているのに対し、
肥料やけは肥料に当たったところだけが傷んでいます。
水不足か肥料やけかは、つる先の様子で見分けます
元気なつる先
3.ゴーヤ 肥料やけの対処方法は?
肥料やけが起こったら、
土壌の肥料濃度をできるだけ早く薄める必要があります。
・プランターの場合
ゴーヤの水やりは、
通常でもプランターの底から水が流れ出るくらい与えます。
肥料やけを起こしているときは、
通常の3倍の水を与えるようにします。
プランターの下に水が溜まらないようにすることも大切です。
水で土壌の肥料成分を薄めてやると、
3日~1週間で症状は改善していきます。
・地植えの場合
まず前もって、苗を植え付けるときに、苗の横や周りに溝を作り、
完熟した肥料をそこに与えると肥料やけしにくいです。
既に肥料やけを起こしている場合には、
追肥を控え、水やりを多めにします。
■参考
ゴーヤ 地植えの育て方
ゴーヤ 台風対策
ゴーヤのカーテンは取り外すか補強します
■ゴーヤ 台風対策
ゴーヤの台風対策は、
ゴーヤの栽培期間中に必ず直面する課題です。
ゴーヤはつる性の植物なので、
他の植物のように移動させるわけにはいきません。
ネットをつるしてツルをはわせて育てますが、
台風でネットが飛ばされると思わぬ事故になりかねません。
ゴーヤの台風対策はどのように行えばよいでしょう?
1.台風前の対策
台風が来る前に行うことは、ゴーヤやネットが、
風で飛ばされないようにする安全対策です。
プランターで育てているときは、
プランターが風で飛ばされないようにします。
プランターの上にブロックなどの、
重りになるものを置いておくとよいでしょう。
ゴーヤをはわせているネットは、一度支柱から外し、
ツルをいためないように気をつけながら畳んでおきます。
ネットも建物などに括り付けて固定するか、
重りを置いて飛んで行かないようにしておきます。
支柱は固定を補強し、風で外れないようにします。
ネットを外せないときは、留め部分を補強し実も採っておきます
◎ネットを外せないときは?
ネットを外すことができないときは、
支柱から外れないように固定しなおして補強しておきます。
ゴーヤの実がなっているときは、
小さくても収穫しておきましょう。
ゴーヤの周囲も点検し、風で飛んでいきそうなものは整理し、
移動できないものは固定しておきましょう。
2.台風後の手入れ
台風が去った後には、晴天が訪れます。
台風の後の作業は、できれば台風が去った次の日、
気持ち良い晴天の下で行いたいですね。
畳んでいたネットを広げて、支柱に固定しなおします。
風や雨で傷んだ葉や花は切り取ります。
根が浮いて傾いてしまっていたら、
そっと元の位置に戻し、埋め戻しておきます。
支柱が傾いたりしているときは、もう一度補強しなおしておきます。
台風は繰り返しやってくる可能性もあります。
台風後の補強は、次回の台風対策にもなります。
台風に強いゴーヤです
3.ゴーヤのダメージは?
ゴーヤは台風で葉や花が傷んでしまうことがあります。
傷んだ葉や花は取り除いて病気の発生を予防します。
台風で傷んだ葉を取り除いても、
ゴーヤはすぐに生長し、ダメージは回復していきます。
もともと台風の多い地域の野菜なので、
台風で雨風にさらされても、大きなダメージは受けません。
ゴーヤのつるはネットにしっかりと絡みついていて、
ネットから外れることも、ほとんどありません。
■参考
ゴーヤ 地植えの育て方
ゴーヤの種類
ゴーヤには、スーパーに売られているものでも、
細長いものやずんぐりとしたものなど数種類のゴーヤを見かけます。
実際にゴーヤを育てようと思って種や苗を探してみると、
たくさんの種類があることに驚かされます。
ゴーヤは種類によって苦みや食感が違ってきます。
■ゴーヤの種類
・あばしゴーヤ
沖縄県の在来種で、太くてずんぐりとした形が特徴的です。
丸くて大きないぼがあり、いちばんポピュラーなゴーヤです。
長さは20㎝~30㎝とあまり大きくありません。
肉厚でジューシーで、苦みは強くありません。
・島娘 C)太田のタネ
節ごとに実がなる節成りゴーヤです。
たくさん実がなっても、株が疲れないので、
夏の間中たくさんのゴーヤを収穫することができます。
長さは30㎝くらいで、250~300gの実がなります。
肉厚で味がよく、スライスしてサラダで食べるのもお勧めです。
・さつま大長れいし C)タキイ種苗
鹿児島県など南九州の在来種です。
実は細長く、黄緑色の実がなります。
あばしゴーヤなど、沖縄県の在来種のゴーヤに比べ、
苦みが強いのが特徴です。
・白れいし
実が白く、美しいゴーヤです。
いぼは平らで丸みを帯びています。
長さは10㎝~20㎝と小ぶりです。
苦みが少なくマイルドで、生食に向いています。
・島心
400gくらいの大型の実がなります。
いぼはそれほどごつごつしていません。
肉厚で、適度な苦みがあり、みずみずしい食感です。
・寿限無
細長く、30㎝くらいの長さになる大型の品種です。
ビタミンCの含有量が他のゴーヤに比べて多く、夏バテ予防に最適です。
・2色マジックゴーヤ
熟す前の緑色の実はもちろんおいしいのですが、
熟して黄色くなった実もおいしいゴーヤです。
緑色の実とオレンジの実の2種類の実が、
個性的な緑のカーテンを作ることができます。
・すずめゴーヤー
手のひらに乗るくらいの、小さな実がなるゴーヤです。
かわいい形の実ですが、苦みはとても強いのが特徴的です。
てんぷらや炒めものに向いています。
・カックロール
南アジア原産のゴーヤです。
丸い愛らしい果実のような形で、苦みはほとんど感じません。
カックロールという野菜では輸入が禁止されているので、
自分で育てないと食べることができないゴーヤです。
ゴーヤと同様に、炒めたりサラダにしたりして食べることができます。
雄株と雌株があり、両方の株を植えないと、
実がならないので注意が必要です。
■参考
ゴーヤ 地植えの育て方
ゴーヤ 摘果は必要?
ゴーヤを育てている人びとの間では、
ゴーヤの実を摘果するかしないかで論争が起こります。
ゴーヤの実は摘果したほうがいいのでしょうか?
■ゴーヤの摘果は必要?
1.摘果が必要な時期は?
ゴーヤは実がなり始めると、栄養分は実に集中していきます。
ゴーヤはたくさんの子ヅルや孫ヅルを伸ばした方が、
花数が多くなり、収穫量が多くなります。
ツルが充分に生長する前に実がなってしまうと、
栄養分がゴーヤの実にとられ、ツルの生長が鈍くなってしまいます。
すると、シーズンを通じての収穫量が少なくなってしまうことになります。
ツルが充分に生長する前についた実は、
残念ながら摘果してしまった方がよいです。
また、ゴーヤの栄養は、伸びて行くツルの先端に移っていきます。
ツルの生長を妨げないためには、
地上から1m以内になった実は、摘果したほうがよいでしょう。
形の悪い実や、小さい実は、摘果します
2.摘果を行う理由は?
・実を大きくする
複数の実が近い場所でなってしまうと、栄養分の取り合いになり、
どちらの実も大きくなりません。
ゴーヤは、あまり隣接して実をならすことが少ないのですが、
近くに実が同時にできてしまった時は、小さい方を早めに摘果します。
・肥料切れを避ける
ゴーヤは、肥料をたくさん必要とする植物です。
ゴーヤの実がたくさんでき始めると、肥料切れも起こりやすくなります。
ゴーヤのみが10㎝以下までしか生長せず、
裂果してしまうようなことが起こったら、肥料切れのサインです。
摘果をして実の数を制限し、追肥を与えて株の栄養状態をよくします。
・収穫時期をずらす
一度にたくさんの実がなると、株に負担がかかります。
株が早くに弱ってしまうと、収穫時期が短くなります。
一株になる実の数は、常に10個以内にし、
あまりにもたくさん実がついているときは、
形の悪いものを優先的に摘果します。
もったいないように思いますが、
長い期間収穫できた方が最終的に収穫量は多くなります。
ゴーヤは鮮度が落ちやすい野菜です。
一度にたくさんの数を収穫するよりも、
適度な量を長く収穫できた方が調理も楽です。
3.ゴーヤの摘果は必要?
ツルが小さいうちについた実は摘果したほうがよいでしょう。
摘果を行う主な理由は、大きな実を長い期間収穫するためです。
実の大きさや収穫量にこだわらないというのであれば、
摘果はしなくても問題はありません。
ゴーヤの保存方法
毎日収穫できるので、食べるのが間に合わなくなります。
採れ過ぎたゴーヤは、どのように保存するとよいのでしょうか?
■ゴーヤの保存方法
1.そのまま保存する
ゴーヤを冷蔵庫で保存するときは、
ビニール袋やラップで包み、乾燥を防ぎます。
冷蔵庫に入れて保存するときは、
実っていた方向に立てて置いておくと少し長く保存できます。
採れた実のままの状態で冷蔵庫保存し、
おいしく食べられるのは3日くらいです。
2.ワタを取って保存する
ゴーヤはワタと種を取ると保存期間が長くなります。
ゴーヤを縦半分に切り、スプーンなどでワタを取り除きます。
ワタと実の境目が一番苦いので、
ワタをしっかりと取り除いたほうが食べやすくなります。
ワタを取り除いたゴーヤは、新聞紙にくるんで冷蔵庫で保存します。
保存できる期間は1週間程度です。
3.冷凍保存する
ゴーヤを生の状態で保存しても食べきることができないときは、
冷凍保存がお勧めです。
ゴーヤを半分に切ってワタを取り除いたら、
自分が一番料理で使う厚さにスライスします。
ジッパー付きの保存袋に入れ、空気を抜いてジッパーを閉め、
冷凍庫に入れて保存します。
ゴーヤチャンプルなど、炒めものにするときは解凍せず、
そのまま使うことができて便利です。
冷凍保存で1~2か月保存することができます。
冷凍保存すればゴーヤチャンプルにも使えます
4.乾燥させる
ワタごと薄くスライスし、ザルなどに広げて天日干しにします。
3日ほど干して、完全に水分が抜けたら保存瓶に入れて保存します。
水分が残っているとかびてくるので、
茶色くしわしわの状態になるまでよく干しましょう。
そのままの状態で、半年ほど保存することができます。
干しゴーヤはそのまま油で揚げるとゴーヤチップスになります。
切り干し大根と同様に、水でもどして調理することもできます。
水につけてもどすときは、ワタと種の部分は取り除きます。
5.お茶にする
乾燥ゴーヤをフライパンでさらにいると、ゴーヤ茶になります。
ビタミンCなどのビタミン類や、
ミネラル成分がたくさん入っています。
血糖値を下げたり、脂肪の分解作用があって、
ダイエット効果があったりと、とても健康に良いお茶です。
6.漬物にする
干しゴーヤを使って漬物を作ることもできます
ゴーヤ1本に対して酒大さじ3、醤油大さじ3、みりん大さじ3を、
ジップ付きの保存袋に入れます。
干しゴーヤを入れ、よくもんだ後冷蔵庫に入れます。
一晩おいたほうが味がしみておいしくなります。
7.佃煮にする
ゴーヤ500gに対し、醤油50cc、砂糖100g、酢40ccの調味料で作ります。
ゴーヤを縦半分に切り、種を取ったら薄くスライスします。
ゴーヤを熱湯でさっとゆで、ザルにあげて水けをきります。
鍋に調味料を入れて沸騰させた後、
ゴーヤを入れ、中火で汁気がなくなるまで煮ます。
保存瓶に入れて冷蔵庫で保存すると、半年ほど日持ちします。
たくさん作ってジップ付きの保存袋に入れ、
冷凍保存することもできます。
■参考
ゴーヤ 地植えの育て方