さつま大長レイシ 特徴と育て方
さつま大長レイシ
ゴーヤの学名はMomordica charantia var. pavel、
和名はツルレイシ、漢字で書くと「蔓茘枝」です。
「長レイシ」のレイシは、ツルレイシのレイシが語源です。
実は「長レイシ」は、「さつま大長レイシ(さつまおおながれいし)」と、
「沖縄中長レイシ(おきなわちゅうながれいし)」の2品種を示す通称・略称です。
同じ略称「長レイシ」をもつ品種でも、見た目にも違いがあります。
もし「長レイシ」が話題で食い違うことがあったら?
それはきっと、別の品種について話をしているのかもしれません。
この記事では、「さつま大長レイシ」、次の記事で「沖縄中長レイシ」を紹介します。
*
さつま大長レイシは、その名の通り、鹿児島県に昔からある品種(在来種)で、
固定種でもあるゴーヤの品種です。
さつま大長レイシの果肉は、硬く、しゃきしゃきしていて歯ごたえがよいゴーヤです。
苦みがやや強いですが、癖になるよい美味しい苦みです。
■さつま大長レイシの特徴と育て方
1. さつま大長レイシの特徴
・果実の長さは35cm前後にもなります。
・果実の形は細長く、流線形に近い品種です。
・果実の表面は鮮やかな緑をしています。
・育ちが旺盛で、実の付きがよく、多く収穫できる品種です。
*販売企業:タキイ種苗、野口のタネなど
人工授粉をすると確実に着果します
2. さつま大長レイシの育て方
・ゴーヤは全般的に暑さに強く、寒さに弱い作物です。
さつま大長レイシの播種時期は、最低気温が17度以上を基準に計画します。
・根の張りがよい株に育てるために、本葉が4枚前後になったら、
徒長していない元気な苗を選びます。
・定植は、最低気温が17度以上を基準に、
晴天の午前中の日を選び、行いましょう。
・ミツバチなどの自然交配ができない場合の対策として、人工授粉があります。
人工授粉の方法は、人工授粉したいその日に咲いた雄花を使って、
雌花に花粉をつけます。一つの雄花で3つ前後の雌花に受粉ができます。
人工授粉すると、着果する割合も上がり、結果的に収量も上がります。
・収穫の最盛期は果実に水分を多く取られます。
水やりは「やり忘れ」を防ぐためにも、定期的に行いましょう。
また、株の様子や天候などにも注意して適切な水やりをします。
・追肥は、収穫の始まるころから、株の勢いを見つつ与えます。
・果実の長さが35センチ前後になったら収穫しましょう。
実が大きくなりすぎると株の勢いが落ち、収量が落ちる原因にもなります。
ゴーヤのトンネルも涼しくて居心地が良いです
3.さつま大長レイシの適作型
適作型は参考資料としてご活用ください。
・冷涼地栽培
播種は5月下旬~6月上旬、定植は6月下旬~7月上旬、
収穫は8月初め~8月下旬にスタートし、10月末まで見込めます。
・中間値栽培
播種は4月下旬~5月上旬、定植は5月下旬~6月上旬、
収穫は7月初め~7月下旬にスタートし、9月末まで見込めます。
・暖地ハウス栽培
播種は1月上旬ごろ、定植はハウスで2月下旬ごろ、
収穫は4月初めにスタートし、7月末まで見込めます。
・暖地露地栽培
播種は1月上旬~3月下旬、定植は4月下旬ごろまでに終わらせ、
収穫は6月上旬にスタートし、9月末まで見込めます。
4.さつま大長レイシの食べ方
果実が細長く、肉厚ではないので、どのような料理にも適します。
・油炒め、卵とじ、ピーマンの肉詰めを応用した料理がお勧めです。
一口サイズに切り分けたレイシのワタと種のあったところへ片栗粉を軽くまぶします。
片栗粉の付いた面に豚肉をに盛り上がるくらいに詰め、
レイシに先に火が入るように、オーブンかフライパンでよく火を通します。
おかか醤油やソース、ケチャップなどでトッピングしてできあがりです。
・食感がしゃきしゃきしているので、サラダにも向いてます。
・果実が細長いので、薄切りにして、苦みを取ってサラダのいろどりに。
■参考
・ゴーヤ 地植えの育て方
・ゴーヤ プランターの育て方
・ゴーヤ 摘心・剪定の仕方は?
ゴーヤの魅力
熟して黄色くなったゴーヤは、タマネギやピーマンと薄切りサラダが美味
ゴーヤは、ここ近年で人気が凄く高まりました。
私自身も、約15年くらい前まではゴーヤと言えば、沖縄の食べ物、
ゴーヤチャンプルは沖縄料理店でしか食べたことがなく、
食卓に並ぶようになったのは、本当、ここ数年のことだ思います。
沖縄料理店のチャンプルは、正直、甘くて味が濃くて、
あまり美味しいものではなかったです。
これは、暑いところに住む方の味付けだと思いました。
家で採れたゴーヤのチャンプルは、抜群に美味しいです。
豆腐は、豆腐屋かスーパーの良い豆腐で調理しています。
東京人の味付けなのでさっぱり系ですが、ゴーヤのほろ苦さが旨いです。
また、関東に住んでいる私にとっては、ゴーヤよりも、
ニガウリの名の方が定着し、その後ゴーヤと認識しました。
■ゴーヤが全国区になったのは?
ゴーヤが有名な沖縄県は、日本の長寿県とも言われています。
夏バテに効果があり、栄養価の高いゴーヤがそのカギを握っている、
ともされていて、健康面から人気が広まっていきました。
また、その人気から今は、沖縄・九州地方だけではなく、
関東、東北地方でもゴーヤの産地化が進んでいます。
もともとゴーヤは育てやすい野菜でもあるので、
そういったところからも、人気が高まったようです。
シーズン、最後のゴーヤがかわいい♪
■家庭菜園の流行と緑のカーテン
近日、家庭菜園が流行しています。
ゴーヤの人気は、ここにも隠されています。
ゴーヤは、屈強でいろいろな土地で育てやすいので、
プランターでも育てられ、家庭菜園にも向いている野菜です。
また、「グリーンカーテン」と呼ばれる日除けは、
エコの面からも、健康野菜を食べられることからもゴーヤは人気です。
グリーンカーテンは、ゴーヤのつるを茂らせ日除けにするもの。
節電などのエコな野菜なんです。
■ゴーヤ栽培の魅力
ゴーヤ栽培の魅力は、計り知れません。
栄養価の高い野菜で、食べて美味しく、健康に良く、
栽培すれば、家庭菜園の楽しみも増え、グリーンカーテンまでできると、
一石三鳥くらいの魅力があります。
当サイトは、ゴーヤに関するさまざまな知識はもちろんのこと、
栽培に関する手順、収穫、食べ方など、
ゴーヤに関する、さまざまな情報を、
来シーズンも、ご紹介していきたいと思います。
ゴーヤ摘芯 何回必要?
ゴーヤで緑のカーテンを作りたい、
あるいは、たくさんゴーヤを収穫したいと思いますね
ゴーヤの摘芯は、いつごろ何回くらい行えばよいのでしょうか?
■ゴーヤ摘芯 何回必要?
1.摘心を行うタイミングは?
ゴーヤには雄花と雌花があり、親ヅルには雌花が咲きません。
ゴーヤを収穫するためには、
親ヅルを摘芯して子ヅルを伸ばしていく必要があります。
摘芯を行うタイミングや、方法によって、ツルの伸び方が違っていきます。
通常は、本葉が4~5枚になったら親ヅルを摘み取って摘芯を行います。
2.緑のカーテンの摘芯の回数は?
緑のカーテンを作る時は、
摘芯の回数を増やすと子ヅルや孫ヅルがよく伸び、
隙間のない美しいカーテンを作ることができます。
緑のカーテンでよくある失敗は、ツルの上の方の葉ばかりが茂って、
下の方が淋しくなってしまうことです。
緑のカーテンでは、摘芯は親ヅルと子ヅルの2回の摘芯を行うと、
上から下まで美しい緑のカーテンを作ることができます。
・親ヅルの摘芯
7枚目~9枚目の本葉の間で、ツルを切り取ります。
その翌日には、7枚目~9枚目の本葉の間でもう一度つるを切ります。
3度に分けて親ヅルを摘芯していきます。
数回に分けて摘芯を行うのは、根の動きを鈍らせないためです。
・子ヅルの摘芯
子ヅルが伸びて、本葉が6~7枚そろったら、
6枚目と7枚目の本葉の間で摘芯をします。
すると、孫ヅルが伸びていきます。
孫ヅルは、太くて丈夫なツルだけを残し、後は摘芯します。
その後も、子ヅルや孫ヅルは増えていきますが、
細いツルはなるべく切り取るようにします。
3.収穫目的の摘芯の回数は?
緑のカーテンではなく、
収穫を目的としてゴーヤの栽培を行うときは、摘芯は1回で大丈夫です。
本葉が4~5枚そろったところで摘芯を行い、子ヅルを伸ばしていきます。
早めに摘芯を行うことで、子ヅルや孫ヅルがでやすくなります。
子ヅルや孫ヅルの方がたくさん花をつけるので、収穫量も多くなります。